
「なかはらびと」は、武蔵小杉を中心とした中原区・川崎市において、様々な分野で活躍されたり、興味深い活動をされている方へ、+Care projectのコンセプトテーマに関連したインタビューを行う企画です。
「なかはらびと」第3回は、新丸子・武蔵小杉エリアで最高品質のスペシャルティコーヒーを提供しているSHIBA COFFEEの柴田剛さんにお話を伺って参りました。
今回は、「コーヒーと健康」というテーマで、本などの資料もお持ち頂きました。そして、コーヒーについての通説などの誤解といった方向へ話は進んでいきます。
インタビュアー:西(西)
回答:柴田さん(柴)
西:今回は「コーヒーと健康」というテーマでお話しを伺いに来たんですけども、「コーヒーと健康」というところで言われていることとして、例えば「コーヒーは胃に悪い」とかそういうことが言われますけど、そういった通説ってどうなんでしょうか。

柴:自分も小さい頃とか、「コーヒーは体に悪いもの」「飲むと胃に良くない」とかそういうことを言われてきましたね。
そういう情報が流布するきっかけとか、医学的な根拠とかはわからないですが、基本的には新鮮で、コーヒーが植物としてもともと持っている油分が酸化していない状態、そういう状態であれば体に悪いと言うことはないですね。逆に、「胃に悪い」といわれるようになった時代では、コーヒーの保存に対する知識が一般的ではなかった、もしくは業者や喫茶店、スーパーなんかでもいいかげんな時代があったと言うことですよね。ただ袋詰めして棚に並べて何ヶ月も・・・売られてましたからね、実際。
そうするともう、コーヒーだけに限らないですけど、脂質が酸化してしまいます。しかもコーヒーの場合は見た目腐ったようにはみえないし、それを普通に淹れて飲んでいた時代があったんです。そうなると飲んで気持ち悪くなった、というのが普通にあったと思うので、そういうことから言われるようになったと思います。
西:この本(『1日3杯のコーヒーが人を健康にする』にも、同じようなことが書いてあって、胃を悪くする、というのは俗説であると書いてますね。他にも、コーヒーと健康に関する本って、こちらにいろいろお持ち頂きましたけど、例えばダイエットに効果があるとか、他にもいろいろな健康効果があるとか書いている本はたくさんありますけど、実際にはどうなんですかね?

柴:そうですね。クロロゲン酸が脂肪燃焼を助ける、とかカフェインによる代謝向上につながっているとかそういうのは現実的に分析はされているんでしょうけど。
カフェインの眠気さましというのも、代謝が良くなって目が覚めるということなんでしょうから。ダイエットには確かに効果はあるんでしょうけれど、それが効きはじめるまでのタイムラグというのもあるようで、運動の30分前にコーヒーを飲むとか書いていますけど、それも現実的には中々難しいですよね。運動の時間に合わせるとか。
西:結局のところ、コーヒーを飲んだからと言っても、他の運動とかもきちんとしないとダメ、ということでしょうか。
柴:1ヶ月飲み続けたら、計算上1.2kg下がるとか書いてある本もありますけども。
西:ただ、それもその分食べていれば太る。
柴:そうですよね(笑)。しかも、コーヒー飲み続ける場合も、ブラックじゃないとダメですよね。砂糖・ミルク入れてしまうと結局それらは脂質、糖分ですから。
西:そうですね。缶コーヒーとかそういうのが多いですね。ところで、やはり缶コーヒーって普通にこういったところで飲むコーヒーとはだいぶ違うものなんですか?
柴:もちろん豆の品質の違いや風味の違いはあるし、コーヒー豆使用量の割合で「コーヒー」になるか「コーヒー飲料」となるとか、缶コーヒーにも区分けはありますけど、基本的にはコーヒー豆を抽出して出しているので大きく違うということではないです。ただ、そこに添加物が入ったり、ミルクが入って脂質が増えたり、結果的に「別物」になっているものもあります。ブラックの缶コーヒーを飲むという方もいますけど、ブラックは特に香料が入っているケースが多いです。
西:えっ、そうなんですか。何で香料が入るんですかね?

柴:やはりコーヒー抽出液も長期保存されているわけで、新鮮な豆で淹れたての温かいコーヒーであればふわっと香ってくるあのアロマが、工場で詰められた缶の状態でそんなに香らないですよね。
それを補うためには人工的な香料をつけざるを得ない。香料なしで売られているものもあるんですけど、僕らが「コーヒー」として感じている香りは少ないです。でも、添加物が入っていない方が体に良いとも言えますし、そういったものを選んで飲むという選択肢もありますけど、美味しいと思うかどうかは別ですよね。
あとは、缶コーヒーに関して言うと、最近は「高品質アラビカ種のみ使用」とかそういうのも出てますけど。ロブスタ種という単体でコーヒーとして飲んであまり美味しくない種類の豆がブレンドされていることも多いんで。ただそれはコクを出すためだったりとか、単純に原価を下げるためだけではないこともあるんですけど。
でも今はコンビニで豆を挽きたてで飲めるという時代になったんで、むしろコンビニの方がちゃんとした「コーヒー」は飲めるというのはありますよね。とは言え、個人的には缶コーヒーの美味しさっていうのもあるかなって思うので、例えばインスタントラーメンとラーメン屋のラーメンが別なように、缶コーヒーを飲むことはありますけどね。
あとはトクホの缶コーヒー・・・。
西:あれもダイエット効果ですよね。
柴:そうなんでしょうね。でもまぁ味に関して言えば、普通の缶コーヒーより美味しくなかったですけど。
西:美味しくないですよね(笑)。僕も飲んだことありますけど。
柴:(笑)
西:こういった本とかでも、コーヒーでの健康効果、例えばがんの予防だったりとか糖尿病の予防になるとか、研究中のものも含めて色々あるんですけど、そういうのってコーヒーの業界的には喜ばしいことなんでしょうか。

柴:個人的には、「コーヒーは体に悪い」っていう通説がいまだにありますから、そういうのを払拭してくれるって意味ではすごくいいと思いますね。
ただ、大腸癌に効くとかもいわれることありますけど、ヨーロッパの研究で、1日コーヒー2杯飲む人と、6杯飲む人とを比較して、6杯飲む人の方が1.5倍軽減率が高まるとかあったんですけど、実際に日本人で6杯飲む人ってそういないわけで、全て流れている情報がそのまま信じていいかわからないですよね。
ただ、少なくとも新鮮なコーヒーであれば体に悪いものではない。何杯飲んだらダメとかそういうのもないと思うんですけど。昔は妊婦さんとか絶対コーヒー飲むなとかいわれていた時代もあったかと思うんですが、「1杯~2杯ならいいよって言われました」っていうお母さんとかお店にいらっしゃることもありますね。ただこれはコーヒーだからということではなくてカフェインの及ぼす影響もあるのでいい加減なことも言えないんですが。
いずれにしてもコーヒーは「健康に良いから飲む」ものではなく、あくまでも嗜好品として「美味しいから飲む」ものというのが前提ですし、まあ、「コーヒーが新鮮なものであれば少なくともカラダに悪いものじゃないんだね」、となってくれるならば非常にありがたいことです。
あとコーヒーの好みで「酸味が嫌い」ってすごい多いんですね。それの要因のひとつが保存が悪くて脂質が酸化(※)した、成分が劣化したもの。口に含んだときに酸味を感じやすいわけですね。あとは昔のファミレスなんかで飲み放題のコーヒーとか、サーバーの液体が時間がたって酸化してしまうとか。
酸味といっても、コーヒーはコーヒーチェリーっていうフルーツの種なので、新鮮ないいコーヒーには新鮮なフルーツがもつ酸味が含まれるんですね。質が良いものほど良質な酸味が含まれる。ただ、その酸味ってフルーツが普通に食べられる人であればたぶんそんなに違和感ないはずなんですよ。中には酸味に対する耐性が低くて苦手、という方もいらっしゃいますけど。酸化した酸味=コーヒーの酸味と誤解されている方も少なからずいらっしゃいます。
西:あの酸味ってそういう場合もあったんですね・・・。
※11/18追記
記事を読んだ他の珈琲店の方からご指摘頂きましたが、正確には「酸化」ではなく、「加水分解」で酸味が出るのだそうです。なので、保存の際に水分(湿気)を避けておくことが一つのポイントになるのだそうです。
詳しくはこちらをご参照下さい。

【WALK&GETの告知】
+Care Projectでは、活動量計をつけて運動を頑張っている方へ、消費したカロリーや歩数の条件クリアで、地域で様々なサービスを受けられる「WALK&GET」の取り組みを10月末から開始しています!
第2弾は今回インタビューにご協力頂きました「SHIBA COFFEE」さんにて、2014年11月23日~12月21日まで開催!
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