川崎人なら "People Design" を知るべし!

ピープルデザイン研究所HP(http://www.peopledesign.or.jp/)より
ピープルデザイン研究所HP(http://www.peopledesign.or.jp/)より

 こんにちは。管理人のニシトモヒロです。

 

 7/15に川崎市とNPO法人ピープルデザイン研究所が、まちづくりについての包括協定を結んだ、というニュースが入ってきました。

 つまり、川崎のまちが、モノやコトが、ピープルデザインの考え方を取り入れて変わっていくということで、これは川崎人なら要チェックでしょう!

 

 ところで、先ほどから何度も出ているこの「ピープルデザイン」ってことば。

 初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

 

 簡単に言えば、病気・障害を持つ方や性的マイノリティ、妊婦さんや外国人なども含めた、社会的マイノリティの方々が「みんなこのまちで暮らせるように」

 "心のバリアフリー" をクリエイティブに実現する思想や方法

 ですが、これだけだとなかなかピンとこないですよね。

 

 今日のエントリでは、この「川崎人なら知っておきたいピープルデザイン」について取り上げます。

ピープルデザイン研究所facebookページ(https://www.facebook.com/peopledesign.shibuya)より
ピープルデザイン研究所facebookページ(https://www.facebook.com/peopledesign.shibuya)より

 ピープルデザインは、提唱者でありNPO法人ピープルデザイン研究所の代表をつとめられる須藤シンジさん(写真左。右は川崎市・福田市長)が、ご自身の息子さんが重度の小児まひを持って生まれてきたことからはじまります。

 

 須藤さんは親として、自分の子供が将来一人で生きていけるためには何が必要か。それを考えたときに、現在の日本社会は「健常者と障害者が分け隔てられている」ことに気づきました。

 例えば、自分が子供のとき障害を抱えている子はクラスにはいなかった、という方が多いと思います。それだけ、障害を抱えている方は少ないのでしょうか。

 しかし実際には、佐藤さんや鈴木さんといった「日本で多い名字ベスト4」の方は700万人いるのに対し、障害を抱える方は730万人います。佐藤さんや鈴木さんが同級生にいなかった、という方は少ないと思います。それだけ、障害を抱える方は社会の中で「分け隔てられて」ているのです。

 

より詳しくピープルデザインを知るには、この本がオススメ。『意識をデザインする仕事』
より詳しくピープルデザインを知るには、この本がオススメ。『意識をデザインする仕事』

誰しも、自分が初めて出会うものには警戒心や「どう接していいかわからない」という不安を抱きます。

 今の社会は、障害者だけではなく、病気を抱える方や性的マイノリティの方など「普段接することが少ない」方々とそれ以外の多数者がお互いに避けあって「こころの壁をお互いに作って」暮らしています。

 

 でも、誰しもがいつでもそういったマイノリティになる可能性をもっています。具体的な例を挙げれば、スポーツで足の骨を折った、それだけでもかなりこの社会は生きにくいことに気づくはずです。他にも、妊娠やがん、認知症など、自分や家族がそういった状況にならないとも限りません。

 そういったときに、このまちは「安心して暮らせるまち」でしょうか?

 

「困っていたら私に声をかけてください!」という心意気を表明する「コミュニケーションチャーム」。川崎ではSHIPSアトレ川崎店で購入可能。数が多ければ通信販売も可能。
「困っていたら私に声をかけてください!」という心意気を表明する「コミュニケーションチャーム」。川崎ではSHIPSアトレ川崎店で購入可能。数が多ければ通信販売も可能。

 これまであった似たような概念である「ユニバーサルデザイン」は、時として障害者に対する機能性を重視するため、ときにファッション性を犠牲にしてきました。ピープルデザインでは、よりファッション性を重視し、健常者も障害者も同じアイテムを使って「混ざり合う」、ということを意識しています。

 障害を持っていても、ダサい服や靴はつけたくない。都会の若者がほしがるようなファッションを自分たちもしてまちへ出たい。じゃあ、機能性にすぐれ、若者がほしがるようなファッショナブルな靴を作れば―、という発想です。

 自然と、全てのひとが「混じり合う」。そのために「こころのバリアフリー」をデザインする。それが、ピープルデザインの考え方です。

 写真の「コミュニケーションチャーム」は、そういった心の壁を取り除くためにデザインされたツールといえます。

 

 映画でも、「混じり合う」工夫をしています。

 これまで視覚障害者向けには、音声ガイダンス入りの映画があったのですが、これだと音声ガイダンスが一般視聴者には邪魔で仕方ありません。結果、映画館も「分かれて」みることになっていました。

 ここでピープルデザインの工夫。「FM電波で音声ガイダンスを流し、それをFMラジオで聞きながら映画をみればいい!」。この工夫で、全ての人が一緒に映画をみることができます。

 他にも、「体感音響システム」を利用して、体全体で音を体感する工夫も。

 例えば映画の中でドアが閉まるシーンがあれば、座席シートから閉まるときの衝撃がくる、といった感じ。これを利用して、オーケストラを体で体感したりすることもできるそうです。

 

 川崎市とピープルデザイン研究所の包括協定締結は、このピープルデザインの考え方を活用し、多様な人々が混ざり合い、賑わいのあるダイバーシティ(多様性)のまちづくりを目指すためのものです(こちらについては第9回の「こすぎの大学」で三浦副市長もお話しされていました)。

 

 一方、+Care projectのめざすまちづくりは

「病気にならないまち/病気になっても安心してくらせるまち」

です。

 

「病気にならない=予防・健康増進」はもちろん大切ですが、どんなにカラダに気をつけていても、病気になることはあります。そういったときに「安心して暮らせるまち」をデザインしたい ―。ピープルデザインと目指すところは似通っているのではないかと思っています。

 

 このまちに住んでいて良かった―。そう思えるまちづくりのために、+Care projectはピープルデザインがこのまちに取り入れられていくことに大きな期待を抱いています。

 

 

【告知】

エントリ本文でご紹介した「体感音響システム」が体験できる、ピープルデザイン川崎プロジェクトのイベント第一弾となる映画試写会が、8月23日(土)16:00から、川崎プラザソル(ラゾーナ川崎5F )にて開催されます。

 

当日は、試写会に加えて、須藤シンジさんなどスペシャルゲストを迎えてのトークショーも開催されます。

 

お申し込み方法など、詳しくは川崎市のHPをご覧下さい。

 

<「夏休み!ピープルデザインシネマ」>

日時:8月23日(土)15:30開場

           16:00上映開始

場所:ラゾーナ川崎プラザソル(ラゾーナ川崎プラザ5F)

地図:http://www.plazasol.jp/map.html

上映作品:「グレートデイズ!―夢に挑んだ父と子―」 

     (8月29日(金)公開)

主催 NPO法人ピープルデザイン研究所

共催:川崎市

協賛:パイオニア株式会社、アルファ ロメオ(フィアット クライスラー ジャパン)

協力:ギャガ株式会社、NEXTIDEVOLUTION